生産活動

障がい者と協働するための 知恵をしぼる この人にも、きっとできる。働くために必要なツールを考えつけば、道が拓ける 企画部経営企画G グループリーダー 山口 裕

1998年、社会福祉法人太陽の家に、職業指導員として就職。ラインの現場で働いている障がい者への指導、能力の把握、仕事の割り振り、障がいの特性に合わせた能力開発、生産管理などを担当する。2013年、オムロン京都太陽株式会社の技術職に転籍。2016年6月より現職。

「この作業を自動化できないか」出てきた課題を解決改善

オムロン京都太陽の大きな特徴として、障がい者の働きにくさを解消するような設備や道具の自社開発が挙がります。私は技術職として3年ほど、そうした設備や道具の自社開発を担当してきました。「この作業を自動化できないか」「不具合が出るので、それを解消させたい」など、依頼はフロアリーダーやラインリーダーから入ることが大半です。自分たちでつくってラインに導入し、課題を解決に導きます。

まずはどんな作業なのか、受け持っているのは誰で、どんな障がい特性があるのか、どういう仕上がりをイメージしているのかを把握。また既存の仕組みを流用できるか、一からなのか、一人で考えるのではなく、別の設備や道具に取り組む人をはじめ、さまざまな人に尋ねて模索。依頼主との打ち合わせや評価レスポンスもひんぱんに重ね、意図に合う開発に努めています。

障がい者専用機というより、誰でもが便利なように工夫

たとえば製品の小さな突起が作業工程で割れていないか、目視ではチェックしきれない場合。「確実に検査したい」というのがミッションです。ナットの重量を測るために設置されていたライン上の設備にピンを組みこみ、製品の突起に当たるような構造にしました。当たればピンが押し戻されて電気が流れる仕組みをつくっておくと、突起の有る無しがわかり、不良品かどうか判断できます。

これは目でみる検査でなくてもいい、という発想の転換の賜物です。どの状態がいい悪いといった判断ではなく、ランプが赤か青かといった簡単な判断にすることで、目視による検出能力を持つ人にしかできなかったことを設備面で解決。判断能力の低い人であっても、工程に配属できるようになりました。簡単であれば、知的障がい者の人を含め、さまざまなメンバーに任せられる可能性が上がっていくのです。

「作業してもらいたい!!」。強い思いが発想の転換に

年に1回、各フロアの製造リーダー、技術メンバー全員で、どういう設備をつくるか提案を集め、開発の優先順位をつけています。

直近では、ハンコを押す機械を自動化しました。車いすの利用者は腹筋を使えないので手の力だけで市販のスタンパーを押すことになるのですが、1日600回ほど押すため、以前は手が痛くなっていたのです。「押す」機能を、シリンダーによる道具に置き換えることで「のせるだけ」で安定して押せる自動化された機械が完成。こうした開発には、ラインリーダーや指導員の「この人にも作業してもらいたい!!」という強い思いが欠かせません。

「こういうものがあれば、きっとできる」と考えつくか、つかないか。そこが大きな分かれ道です。オリジナルな発想やしくみでなくても、流用、つくりかえで十分にクリアできるものも多々あると感じています。

難しく考え過ぎず、一歩を踏み出せば、解決策は出てくる

私は朝礼を手話でしています。手話にはもともと興味があったので、聴覚障がいの方に教わりました。また、知的障がい、発達障がいの方は、複数の人に囲まれて話すとパニックを起こすことがあるため、指導員を通してコミュニケーション。このように、障がいに合わせたコミュニケーションには工夫していますが、こうした特性の障がいについては、まだ社内に経験やノウハウが多くありません。でも年数を重ねれば、その問題も解決されていくことでしょう。

そのためには頭の中で難しく考え過ぎず、まずやってみる。一歩を踏み出せば、課題が見えてくるし、解決策も出てくるものです。私は今の職場で働くようになるまで、障がい者と接する機会はありませんでしたが、今はこの環境が当たり前になっています。世の中全体がきっと、ゆくゆくはそうなっていくことでしょう。社会のあり方も、特別な配慮ではなく、さまざまな人のさまざまな生活が前提になっていくと考えています。

従業員の声

製造G 2Fフロアリーダー 本村 智之

障がいを意識せず、仕事と生活の充実を図る
製造G 2Fフロアリーダー 本村 智之

製造G 1Fフロアリーダー 吉川 雅紀

障がい者をサポートしつつ、職場全体を見渡す
製造G 1Fフロアリーダー 吉川 雅紀
  • 工場見学のお申し込み