生産活動

障がいを意識せず、仕事と 生活の充実を図る 向上心を持てる職場。「気持ち負け」せず、さらに上の職域へ 製造課 製造1グループ グループリーダ 本村 智之

24歳で交通事故に遭い、脊髄を損傷。車いすで生活するようになる。リハビリ、職業訓練、別の職場勤務を経て、2006年に入社。光電センサ製造ラインの現場、7〜8人を取りまとめるラインリーダーを経験し、2016年から現職。ラインの管理、作業指導などを担当する。

モノの配置を少し変える、それだけでも大きな前進

車いすを使う今は、使わなくてよかった頃に比べれば、できないことが増えています。でも私は「いちいち考えても仕方がない。大抵のことはできる。できることを探し、それを増やしていこう!」と考えるタイプ。障がいや不自由さを意識することさえ、ほとんどありません。これは今の職場がバリアフリーを徹底し、インフラを整えた、仕事しやすい環境であることも大きいでしょう。

とはいえ職場のメンバー全員が私と同じように考えているわけではありません。障がいによる特性もさまざまです。たとえば車いすで生活していると、道具や素材に手が届かないことも多々あります。それが少し手前に位置を変えるだけで効率アップ。そのため、もっと簡単に、もっとやりやすく、モノの配置、作業の環境や工程を一人ひとりの特性に合わせるという考え方が、今の職場では徹底されているのです。

待っているのではなく、本人も周囲も声かけを

仕事をしやすくするのに有効なのは、何といっても目配り。私自身も受けてきた声かけやサポートを、今はフロアリーダーの立場で担っています。

作業台の高さは、昇降機で車いすごと上げ下げして調整。片手だけで作業をする人なら、どこに部品を置けばいいか、少しずつ変えてみてベストな置き方を探します。台車から製品を上げ下ろしする動作が苦しい人のためには、台車と台の高さを揃えて上げ下ろしそのものをなくせばいい。

短時間でも、しっかり気にしながらの目配りなら、何が課題なのかがおのずとわかってきます。本人から相談してくる場合もありますが「なかなか言いにくい」「今のままでもできる」という気持ちが働くのも確かです。そこを周囲が気づいて声かけすることが、解決の近道。声をかけあい着眼点を変えれば、お金をかけることなく、できることが増えていくのです。

将来ビジョンを描くことで、課題解決意欲がアップ

私には入社当時から、上の職域をめざそうという意識がありました。今なら製造課長が、めざすポジションの一つです。今の職域に至るプロセスにおいても、上司の仕事を見せてもらい、教わってきました。不良品をリペアしているところに「私もやりましょうか」と声をかけたら、任され、できないところは教えてもらって、フロアリーダー昇格への道筋ができました。これが私の目標に合わせた職場のサポートだったのです。

今は次のリーダーを育てることが私の課題。そのためには、管理能力をつけたいと考えています。私より年上の方も多く、厳しい姿勢だけでは気持ちを高められないでしょう。年齢を意識することなく、仕事と関係のない会話や冗談で、意欲を引き出そうとしています。チャレンジしようという気持ちが強ければ、さまざまな将来ビジョンを描ける職場なのですから。

目で聴く音楽、サインダンスをメインに、バンド活動

もう一つの将来ビジョンはバンド活動です。社内メンバー4人で「4人の障がい者」という意味のバンド「4Disabilities(読み方:ヨンディサビリティーズ)」を結成。スタートして5年目です。『ウォールフリー(壁を無くす)』をコンセプトに障がいがある方、障がいがない方、どんな人にも目で耳で心で楽しんでもらえるようにと活動をしています。

ここ数年は小・中学校を訪問して公演をしており「楽しかった」「障がい者の人たちが過ごしやすい世界をつくりたい」。ステージを観た子どもたちからそんな感想文をもらうことが多く、勇気づけられています。私たちのようなバンドは、ほかになかなかありません。「こんな障がい者がいるんだ」とアピールし、会社の取り組みも広めたいですね。このバンド活動が、演奏する私たちと観てくださる方々の楽しみでありつつ、より多くの方々から理解を得るきっかけになっていくことを願っています。

社員の声

品質環境技術課 技術グループ 白石 遼

誰もが働きやすい生産ラインを目指して
品質環境技術課 
技術グループ 白石 遼
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